カラーは人の心理と行動に影響を与えます
カラーは私たちにパワーと癒しを与えてくれていますが、なぜ、特定のカラーを見たり、身につけたりすると心理的に基づいた行動をするのでしょうか?
「シントニクスの原理(The Syntonic Principle)」を永年の研究の末、書き上げたハリー・ライリー・スピットラー博士は「遺伝や環境や栄養は、私たちの生命に大きな役割を果たしてはいるが、機能、行動、生理学的な反応を変えるのに最も重要な役割を果たしているのは光である」と言っています。
私たちは体の五感といわれる嗅覚・聴覚・味覚・触覚・視覚によって外部から情報を得ていますが、この中で最も情報量の多いのが視覚の情報量で全体の87%を占めていると言われています。この視覚からの情報の大部分は主にカラーからのものと言えます。(もっと読む)
また、真っ青な空と白い雲、青い海と白い波、緑色の草原を見て爽やかな気分になったりしませんか?
好むと好まざるに関わらず、人間は回りに存在するカラーから影響を受けています。例えば、青色光は血圧を下げたり、頭痛をおさえたり、逆に赤色光は血圧を上げたり、脈拍を速めたりするのです。
ライト・トーナス値
光やカラーによって私達の筋肉が緊張・弛緩と言った変化を繰り返す事を『トーナス』と言います。そして光の加減や色彩の変化による体の筋肉の緊張・弛緩現象を脳波や汗の分泌量から客観的に示したものを『ライト・トーナス値』と言います。
一番弛緩した[正常値]が23で、ベージュ・パステルカラーがこれに近く、次いで青が24、緑が28、黄が30となり、橙の35で緊張興奮に変化し、赤は42と最高値を示し被験者の血圧までも上がってしまうそうです。心理的な影響と思われがちなカラーが生理現象としてもハッキリと現れています。
このようにカラーが私たちの心理や体に及ぼしている影響は計り知れないものがあります。そうであるなら身近にあるカラーから、どのような影響があるのか、調べてみる必要があります。
赤ちゃんは何色が好きか、ご存じですか?
特に赤ちゃん、幼児期から子供の場合、着る物や食べ物、オモチャなど、色彩の心理を知っていて与えるのと、知らないで与えるのでは、恐ろしいものがあります。
赤ちゃんは生後2〜3ヶ月で色彩を識別する能力が芽生えます。また、赤ちゃんは明度の高いパステル系の色が好きです。いつもそばに居る母親は黄色、白色、ピンク色などの明るい暖色系の服を着ているのが良いかも知れません。赤ちゃんはどちらかというと寒色系の色はあまり好きではなく、特に黒は嫌います。
作業の生産性を早める色は?
例えば社内を寒色系にしたときと暖色系にしたときとを比べてみましょう。
寒色系にすれば時間が過ぎていくのが早く感じられますので、単純単一作業には良いかも知れません。しかし、室内の冷暖房に関しては22度に設定すると2度低く感じられ寒く感じます。
社内を暖色系にした場合では時間がゆっくり感じられますので、単純単一作業をしていれば時間は長く感じられ退屈と感じるでしょう。しかし、室内の冷暖房に関しては22度に設定すれば2ど高く感じられ暖かい感じがします。
そこで、仕事の生産性を上げるのなら寒色系にしなければなりませんが、暖房費を下げるなら暖色系が良いのです。差し引いたコストの関係で決めるのも一つの手段ですが、そこには生産性をあげ、冷暖房のコストを考える様々な色彩応用を考えなくてはなりません。
色彩の心理的な作用は如実に現れます。着る物で性格が変わったり、相手を好きになったり、嫌いになったりと様々な事を心へ語りかけてくれます。どんな性格の人でも好きな色と嫌いな色があるはずです。しかし、「好きな色と嫌いな色」は時代や環境、自身の成長で変わっていきます。勿論、変わらない人もいます。ですから、現在のあなたの「好きな色と嫌いな色」で現在抱えていらっしゃる心理の真実もわかります。